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「かんぽの宿疑惑」特ダネ報道を封殺する闇の力(植草一秀の『知られざる真実』)

「かんぽの宿疑惑」特ダネ報道を封殺する闇の力(植草一秀の『知られざる真実』)

http://www.asyura2.com/09/senkyo58/msg/1011.html

SEN 1011 2009/2/10 22:18:57

投稿者: クマのプーさん

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-d82c.html

2009年2月10日 (火)

「かんぽの宿疑惑」特ダネ報道を封殺する闇の力


「公明正大な手続きに従って取り運んできている。疑いをもたれることはない。」


日本郵政の西川善文社長は「かんぽの宿」一括売却について、1月29日の記者会見でこのように発言した。


17歳の新入門力士が暴行により死亡した痛ましい事件があったが、当時の時津風親方(当時)がインタビューで、

「大事な子どもを死なせるようなことは私はしませんよ、正直言って。」

「何がいけないって言われてもですね、正直言って、今答えようがないですよ。」

と答えたことがあった。


うがった見方かも知れないが、「疑いをもたれることはない」と語ることでかえって「疑い」という言葉がクローズアップされてしまう場合がある。


西川社長は「公明正大な手続き」と述べたが、「かんぽの宿」一括売却が、「一般競争入札」によって売却先が決定されたのではないことが明らかになった。


1月7日の衆議院予算委員会での質疑で、社会民主党の保坂展人議員が重大な答弁を引き出した。以下は保坂議員のブログからの転載だ。


「日本郵政は会計検査院の検査対象である。国の出資が100%なら当然のことだが、そんなこともあまり知られていない。国の機関ではないから、総務省に日本郵政株式会社が届け出ている規定で契約手続きを行なわなければならない。

その「規定」をみると、「一般競争入札」「指名競争入札」「随意契約」の3種類しかない。この「規定」にのっとって契約を締結しているのなら「指名競争」か「随意契約」のふたつしかない。

どれだと西川社長に質問した。」(ここまで転載)


保坂氏のブログによると、

「日本郵政は1月28日には「公開競争入札と同類のもの」と文書回答し、また2月4日には「単純な『競争入札』は馴染まないものと判断し」と同じく文書回答している。「何度もヒアリングで確かめ、文書で回答いただいているが、西川社長、間違いないでしょうね」と念をおした。答弁席に立った西川社長は、「一般競争入札ではありません」と小さな声で証言した。エエッーと議場に静かなどよめきが走り、後方に座る鳩山総務大臣が身体を揺らす。」(ここまで転載)


さらに、保坂議員は一括売却リストに掲載されていた「世田谷レクセンター」がリストから外されたことに注目し、この施設がいつリストから外されたのかを質問した。


西川社長は11月20日だったと答弁した。第二次選考の締め切りが10月31日であるのに、その締め切り後に「世田谷レクセンター」がリストから外されるのは、どう考えても不自然である。


さらに、保坂議員は最後に念を押すように確認した。

「最後に西川社長に確かめておきたいんですが、第2次の締め切り10月31日の段階で、さきほどの報道によれば61億円ですか、ホテル運営会社。オリックスは109億円だと。オリックスが高かったというのは本当ですか。間違いないですか」と聞いた。


これに対して西川社長は次のように答弁した。

「ただいま、御指摘をいただきました点につきましては、事実そのとおりでございます」


ところが、2月9日の衆議院予算委員会で民主党の川内博史議員が「かんぽの宿疑惑」を追及した結果、驚くべき事実が明るみに出た。


10月末の第二次選考締め切りに応募したのがオリックスとホテル・マネジメント・インターナショナル社(以下HMI社とする)で、入札価格はオリックスが105.22億円、HIM社が105.5億円だった。ただし、オリックスは19.78億円の負債を引き継ぎ、グロスでは125億円を提示したとされるが、ネットの金額では、HIM社がオリックスを僅かに上回っており、高い金額を提示した業者に一括譲渡することになると、HMI社が落札することになる。


日本郵政は10月31日の第2次選考ののち、11月20日に世田谷レクセンターを除外することを2社に通知し、12月3日に最終提示するように連絡したとのことだ。


これに対して、オリックスは108億8600万円(119億4000万円から負債額10.54億円を差し引いた金額)を提示したが、HMI社から金額の提示がなかったとのことだ。


つまり、最終選考に応募したのはオリックス1社だったことが明らかにされた。オリックスが109億円、HMI社が61億円の札を入れて、高い札を入れたオリックスが落札したというのは「作り話」だったことが明らかになったのだ。


61億円はHMI社が提示した105.5億円から世田谷レクセンターの評価額を差し引いたものを日本郵政が勝手に数値化したものであることが判明した。105.5-61=44.5であり、44.5億円はHMI社が提示した世田谷レクセンターの評価額ということになる。


つまり、仮にHMI社が世田谷レクセンターを除外して再度札を入れるとの仮定を置いた計算をするには、HMI社の「世田谷レクセンター」評価額を差し引かなくてはならないからだ。


2月10日付日本経済新聞は、日本郵政はオリックスもHMI社も世田谷レクセンターの評価額が日本郵政の簿価を大幅に下回っていたために、世田谷レクセンターを除外したと説明しているが、HMI社の44.5億円の評価はそれほど低すぎるものなのか。


もうひとつの仮説は日本郵政の簿価をHMI社の105.5億円から差し引いたとの考え方である。しかし、これでは「HMI社が入れたと想定する札」ということにならない。そもそも、オリックス社もHMI社も日本郵政の簿価を大幅に下回る価格でしか「世田谷レクセンター」を評価しなかったと日本郵政が説明しているのだ。


オリックス社は10月31日の105.22億円を12月3日には108.86億円に引き上げている。50億円相当の世田谷の一等地を除外して落札価格がなぜ上昇するのか。


日経新聞は「世田谷レクセンターを除く事業評価を18億円上積みした」と説明するが、理解に苦しむ説明である。


通常の判断に委ねるなら、本来、10月31日の応募でHMI社が105.5億円で落札していたものではないか。提示金額があまりに接近しているのも、甚だ不可思議である。オリックスに売却するために、オリックスに巨大な開発資金が必要となり、外部環境の悪化からオリックスが入手しても開発が困難な「世田谷レクセンター」をはずしたのではないか。


いずれにせよ、最終選考にはオリックス1社しか参加していないのである。保坂議員は、

「企画提案コンペの入札もどきの一部始終が開示される日も近いのではないか。仮に、競争入札だったとしても最後に応札する企業が1社になれば、「不落随契」と呼ばれる随意契約になることを改めて確認しておきたい」

と記述されているが、契約の類型が「一般競争入札」、「指名競争入札」、「随意契約」のなかの「随意契約」に分類されるとの指摘は重要である。


また、世界的に100年に1度の不動産金融危機の暴風が吹き荒れる中で「一括譲渡」を強行する判断が常軌を逸している。最終的な入札参加者を最大限、減少させることを意図したのではないかとしか考えられない。このようなディールに1.2億円のアドバイザリー・フィーを支払うのは国民に対する背任的行為である。


また、日本郵政関係者の「偽証」の責任も問われなければならない。


マスメディアは「特ダネ」級の新事実が発覚したのに、まったく報道していない。NHK定時ニュースは、朝から「三笠フーズ」、「キャノン」、「豪山火事」、「オバマ大統領」、「漢字検定協会」、「工作機械」報道だけで、「かんぽの宿疑惑」報道を封殺した。


麻生首相の発言のブレと矛盾は大々的に報道され、「郵政民営化見直し糾弾」の激しい世論誘導が図られている。


麻生首相が国会答弁で、「私は郵政民営化担当ではありませんでしたから。濡れ衣をかぶせられるのは面白くない」との発言が、昨年9月の自民党総裁選での「私が郵政民営化担当大臣、私が担当」発言と矛盾しているとの「スクープ」を報じたのは、私が知る限りは「晴天とら日和」様である。その前にどなたかが指摘された可能性を確認していないが、テレビ朝日「報道ステーション」は、知的財産権を重視するなら、「スクープ」の出所くらい明らかにする礼儀を持つべきではないかとも感じた。


日本経済新聞は2月10日朝刊で、「競争入札の詳細」を詳しく報道し、「「かんぽの宿」最終選考2社」の大きな見出しを付している。詳細な事実関係を把握していない読者は、「公明正大」な「競争入札」が実施したのではないかと事実誤認してしまう。


「かんぽの宿疑惑」を封印し、「郵政民営化」、「郵政4分社化」の根本的な見直しを力づくで阻止しようとの巨大な闇の力が働いているとの確信が一段と強まった。「三笠フーズ」や「キャノン」に新たな動きを作り、報道番組の時間を占有しようとの意図が働いているとも感じられる。

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